敷地条件を設計の力で家の魅力に。
狭小変形地に立つ2階リビングの家

仙台市 Aさま宅

ご主人のお仕事の都合で、札幌→仙台→札幌と転勤を繰り返していたAさんご夫婦は、仙台への二度目の転勤に伴い、家づくりに本腰を入れることにしました。札幌の冬を経験しているだけに、「暖かい家に住みたい」という切実な思いを抱えていたお二人。「高断熱・高気密」でインターネット検索したところ、ヒノケンの存在を知り、当社担当者の人柄や工務店ならではの間取りの自由さにも魅力を感じてご依頼くださったそうです。

敷地は38坪と狭小で、間口が狭く奥行きがあり、なおかつ1mの勾配がある傾斜地。さらに3方に住宅が近接していたため、ゆったりくつろげるよう2階リビングとしました。また家を総2階にし、室内の無駄なスペースをなくすことで、ご主人の夢だったインナーガレージを実現しました。1階とスキップフロアにしたことでインナーガレージの上に生まれた小屋裏空間をシアタールームとするなど、デッドスペースを効率的に活用している点もポイントです。

そして最も気を使ったのは窓の位置。視界が抜ける方向を探し、高めの位置の窓や細いスリット窓を採用して、隣家と目線が合わないよう工夫しています。

性能のことはもちろん、漆喰仕上げの塗り壁や無垢フローリングなどの素材、シンプルなトーンのデザインなど、お二人も思い描く住まいを実現するために情報収集に主体的に取り組まれ、まさにヒノケンとの“二人三脚”という言葉がふさわしい家づくりとなりました。この家での生活を始めてまだ間もないですが、早くも「落ち着く」「居心地がいい」と感じていただけているとうかがい、ほっとしています。

三角屋根のフォルムをそのまま内装に生かした2階LDK。キッチンまわりだけ天井が低く、四角形にくり抜いたようなつくり
壁付けタイプのキッチンに収納棚を造作することで実現したアイランド風キッチン
奥さんが吟味して選んだシックなトーンのブルーのタイルが、キッチンを彩る
キッチンの隣には洗面洗濯室と脱衣室・浴室、ウォークインクローゼットを配置。コンパクトで機能的な動線が家事の負担を軽減
幅広でサイズにゆとりのある造作の洗面台。左手のロールスクリーンの奥に、ファミリークローゼットを配している
広がりが感じられるリビング。「できる限り化学物質を含む建材を使いたくない」という奥さんの要望で選んだ漆喰壁と天井のシナベニアが、空間に落ち着いた雰囲気をもたらしている
小上がりの畳コーナー。段差を生かして引き出し収納を備え付けた。3方向に隣家が近接している立地ながら、空へ視線が抜ける方向へL字型に高窓を配置して眺望と採光を確保した
リビングの壁面に沿って収納を造作。腰高にすることで圧迫感を抑えた
夜には、奥さんがセレクトしたこだわりの照明が室内を優しく照らす
採光、通風、空調管理に効果を発揮する吹き抜け階段。形状もコの字型とし、省スペース化を図った。踊り場もあり、安心感を持って上り下りできる
　　　　　　　階段途中に設けた扉の先には、シアタールームをレイアウト
ご夫妻共通の趣味である映画やドラマ鑑賞のためのシアタールーム。「天井の低さが臨場感を高めるようで、作品への没入感が半端じゃない」と、家時間の充実に一役買っている
1階ホールの壁にはスポットライトを組み込んだ円形のニッチ。季節や気分に応じ、設いを変えて楽しめる
玄関ホールには、吹き抜け階段の窓からやわらかな光が射し込む。左手の扉の先には寝室
玄関までのアプローチは緩やかな階段。踏み板に採用したブラックスレートと、階段脇の植栽が和の佇まいを感じさせる
玄関脇のドアを開けると階段があり、ガレージへ下りることができる。外に出ることなく屋内とガレージを行き来できて、買い物帰りにも便利
車やバイクが趣味というAさんの念願だったビルトインガレージ。シャッターは電動式。ガレージ内での洗車を想定して床に勾配をつけ、排水処理ができるよう設計した
奥に細長く、敷地内に1mの高低差がある広さ38坪の狭小変形地に立つAさん宅。屋根には太陽光パネルも設置した