求めたのは「居心地が良く安らげる住まい」
もともとこの場所にご実家が建っていたものの、ずいぶん前に取り壊して以来、長年にわたり新居の構想を練り続けてきたというKさん。シェアハウスなどの複合的な建物にしようと考え、意匠性に定評のある建築家と話を進めていたと言います。「でも、長く時間をかけすぎたせいか、途中で迷いが出てきてしまって…。それで改めて妻と話をしてみたんです」。
すると、「格好がいい家でなくてもよい」「大きな家でなくてもよい」「空気感の良い家がいい」とお二人の意見が一致。「自分たちが年齢を重ねたからでしょうか。家は生活をする場所なのだから、身の丈に合っていて、住んでいて気持ちよく、安らぎが得られることが大切だと思うようになっていました」。そんな時、ふと思い出したのがヒノケンでした。
「実はヒノケンさんとは、8年ほど前に一度お話ししたことがありました。当時の自分たちにはフィットしませんでしたが、今改めて、自分たちが望む家を実現するなら、ヒノケンさん以外にないと思いました」。
木と漆喰をふんだんに使ったヒノケンの家の完成見学会に足を運び、ご夫妻が思い描いていた空気感に近いと感じられたことが決め手となり、ヒノケンとの家づくりをスタートしました。
自然素材がもたらす空気の心地よさを実感
Kさんがまず希望したのは、心地よい空気感につながる素材使いです。オークの無垢床、珪藻土の壁、青森ヒバの天井と、自然素材をふんだんに用いて、ご夫妻好みのシンプルでナチュラルな内装に仕上げました。
間取りについては、「大きくなくても狭さを感じずに済むよう、なるべく間仕切りのない大きな一つの空間にしてほしいとお願いしました」。その要望どおり、1階から2階まで各部屋やスペースが緩やかに連続し、広がりが実感できます。
「実寸よりも広いように思えますし、自然素材がもたらす空気感は何物にも代えがたいですね。家、というか、『気持ちよさ』を購入したような感覚です」とKさん。暖房はパネルヒーター、冷房はエアコンで、冬の寒さや夏の暑さとも無縁です。「床暖房ではないのに、冬場、床までほんのり暖かいのが不思議です。一年を通して快適なのは、やはり躯体の性能が良いからでしょうね」。
Kさんは、コロナ禍だからということでもなく、以前に比べて外出の機会が減り、家の中で食事やお酒を楽しむのが至福の時間になったそう。「ヒノケンさんは職人さんたちの仕事ぶりがとても丁寧。工事が進む中、現場で私たちの要望に応えていただけたことに感謝しています。遠回りしましたが、ヒノケンさんに戻ってつくづく良かったです」と話すKさんの笑顔が、この家への満足度を物語っていました。