以前は今も隣に立つ築100年ほどの大きな母屋で生活していたSさんご夫妻。しかし、過去に一度行ったリフォームからすでに40年が経過し、老朽化が激しくなっていました。

 

敷地内には母屋のほかに倉庫や牛小屋など複数の小屋がありましたが、「農業を営んでいたのは父の代まで。自分たちは会社勤めで農業をする暇もないので、無用の長物になっていました」とご主人。そこで使っていなかった小屋類を解体して、その跡地に新居を建てることを決意されました。

古い母屋は冬の寒さ、夏の暑さが尋常ではなかったことから、ご夫婦ともに一番に希望したのは、冬暖かく、夏涼しい家でした。奥さんは住宅性能について勉強する中で、ヒノケンが高断熱・高気密な家を手がけていることを知り、興味を惹かれたのだそう。完成見学会に足を運び、担当者と話をしてみた感触から、「ここなら希望を叶えてくれそう」とヒノケンへの依頼を決めました。

 

そんなSさん宅は広い敷地に立つ2階建て、33坪のお住まいです。外壁は耐久性や意匠性の面からモルタルの仕上げ材を選択。「色は迷いましたが濃い茶色にして正解でした。周囲の里山の風景にも馴染みが良く、ムラ感のある校倉塗りの優しい風合いもとても素敵です」と奥さんは語ります。

暮らしやすさと心地よさを追求した住まい

ご夫妻は、将来はご夫婦二人暮らしになることを想定し、１階で生活が完結する必要最小限の広さの家を希望。そのため、短い動線で生活できる間取りをプランニングしました。LDKを中心に、主寝室やお父さまの部屋、水まわりがコンパクトにまとまっています。

 

天井と床に屋久島地杉を用いた18帖のLDKは、南面の大きな窓と吹き抜けで明るさや開放感を演出。窓の外には里山の風景を眺めながらくつろげる幅8m、奥行き1.5mのウッドデッキも設置されました。

ゆとりの広さを確保したユーティリティやトイレなど、暮らしやすく掃除のしやすい設計も魅力です。「母屋にいたころは休日は掃除だけで終わっていましたが、今は短時間で済むようになり、自分の時間を楽しめるようになりました」と奥さん。ご主人も「少ない歩数で移動でき、生活しやすいです。父も満足してくれています」と語ります。

高断熱・高気密施工と床下エアコンの組み合わせにより、最優先事項だった快適な温熱環境も実現。夏はさらり、冬はぬくもりが伝わる屋久島地杉の足触りも気に入っているそうです。「暑さや寒さを感じることなく暮らせるようになったのが何よりも幸せです」と話すお二人の笑顔に喜びがあふれていました。