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【性能×デザイン×チーム力】暮らしを紡ぐ、 ヒノケンの家づくり vol.2

家づくりにはとてもたくさんのプロセスが必要です。その一つ一つに専門性があり、たくさんの人たちの力が結集することで、よりよい住まいをつくることができます。今回はヒノケンの「施工」に関わるスタッフについて、住宅雑誌Replan宮城2024に掲載された取材記事をご紹介します。

 

【性能×デザイン×チーム力】
暮らしを紡ぐ、 ヒノケンの家づくり

1990年の創業以来、人にも地球環境にも優しい高性能な家づくりに取り組んできたヒノケン。住まい手の想いに寄り添った、質の高い設計デザインにも定評があります。同社の原動力となっているのが、社内はもちろん外注業者まで含めた家づくりのプロたちの意識の高さと連携です。

今回は施工プロセスに注目し、現場監督の阿部 拡さんにお話をうかがいました。建築現場での仕事ぶりを通して、ヒノケンの家づくりとチーム力を紐解きます。

 

Reported by Replan

 

 

 

見えないところまで心を配る。 ヒノケンの「現場仕事」

現場監督は家づくりを支える “縁の下の力持ち”

 

ー理想の家づくりの実現は、現場監督の力量に大きく左右される面があると思いますが、具体的にはどのような仕事なのでしょうか?

 

現場監督の仕事は一言でいうと、「現場全体のマネージメント」です。期日までに竣工できるよう、全体の工期と各工事のスケジュールを管理するのはもちろん、材料の発注や職人さんの手配も行います。資材の原価計算や職人さんたちの人件費の計算といったお金の管理も任されます。

 

現場での「品質管理」も私たちの役割です。住宅の品質とは、まず「設計図どおりにきちんと施工できているか」という点。また決められた検査体制のもとで材質や寸法、強度、機能なども一つひとつチェックします。そして職人さんたちが安全に作業ができるよう環境を整備することも、現場監督の大事な仕事のひとつです。

 

工務課 係長 阿部 拡さん 一級建築施工管理技士の阿部さん。作業が円滑に安全に進められるよう、現場の隅々まで目を配って、高品質な家づくりを支えている

工務課 係長 阿部 拡さん
一級建築施工管理技士の阿部さん。作業が円滑に安全に進められるよう、現場の隅々まで目を配って、高品質な家づくりを支えている

 

ーお施主さんとの接点はあるのでしょうか?  

 

当社の場合、お施主様とのやりとりは主に設計士が担当しますが、工事現場に見学にいらしたときには作業している職人さんをご紹介するなどの案内役も務めますよ。現場監督の仕事は非常に多岐にわたります。お施主様からは見えづらい位置にいて、仕事内容も分かりにくいかもしれませんが、家を建てる際にその場を仕切る縁の下の力持ち、それが現場監督です。

 

プロの目線+お施主様の目線で品質をチェック

 

ー先ほど「品質管理」の話が出ましたが、具体的にはどのような検査を実施していますか?  

 

ヒノケンでは工程ごとに写真を撮って記録を残すとともに、「型枠検査」「木完検査」「竣工前検査」という3つの自社検査を実施して品質の確保に努め、チェックリストを作成してお施主様に提出しています。型枠検査では「基礎」、木完検査では「木工事」、特に、修正が難しい「防水・気密処理」の各項目は重点的にチェックしています。

 

工務課 主任 日野 裕貴さん 二級建築施工管理技士の日野さんは、現場監督の仕事に就いて11年。「私たちはたくさんの住宅を担当しますが、お施主様にとっては一生に一度の家づくり。だからこそ設計士を通して知るご家族の想いを胸に、一棟一棟心を込めて施工しています」と、話す言葉に力がこもる

工務課 主任 日野 裕貴さん
二級建築施工管理技士の日野さんは、現場監督の仕事に就いて11年。「私たちはたくさんの住宅を担当しますが、お施主様にとっては一生に一度の家づくり。だからこそ設計士を通して知るご家族の想いを胸に、一棟一棟心を込めて施工しています」と、話す言葉に力がこもる

 

ー工程ごとに自社で基準を設けて、丁寧に確認することで品質を担保しているということですね。  

 

現在ヒノケンには現場監督が3名います。基本的には1人が一つの現場を担当しますが、ほかの2人も必ず検査に立ち会います。二重のチェック体制を整えて、見落としの防止に努めています。「竣工前検査」に社長が立ち会うのも、当社ならでは。美しい仕上がりで自信を持ってお引き渡しできるよう、社長自ら床下に潜って水漏れやカビがないか、ゴミが落ちていないかを最終確認しています。

 

「品質管理」はお施主様の信頼に応える非常に重要な業務です。私たちは「現場に来られないお施主様の代わりに品質を管理する」という意識を常に持って、現場の仕事に取り組んでいます。

 

ブルーシート養生に力を入れ、 品質や安全を確保

 

ー「安全を守る」ことも現場監督の大事な仕事とのことですが、実際にどのような取り組みをされていますか?  

 

安全管理の面では、足場の内側に手すりや歩み板、手すり付き昇降階段などを設け、落下防止に配慮しています。現場では電動工具を多く使いますが、床に何本ものコードがたまっていると危険です。転倒防止のため、コード類は頭上に這わせるようにしています。足元をすっきりさせると、掃除がしやすいという良い面もあります。現場をきれいに保つことも現場監督の仕事なので、材料置き場やゴミ置き場を明確にするなど、職人さんが動きやすい動線をつくることも意識していますね。

 

工務課 千葉 和弥さん 柱が傷つかないように養生しているのは、二級建築施工管理技士で現場監督歴10年の千葉さん。「現場監督は裏方的な仕事ですが、やりがいは大。工程どおりに順調に竣工したときや、断熱・気密の数値をしっかり出せたときには達成感があります。でもやっぱり一番嬉しいのは、お施主様に喜んでいただくことですね」

工務課 千葉 和弥さん
柱が傷つかないように養生しているのは、二級建築施工管理技士で現場監督歴10年の千葉さん。「現場監督は裏方的な仕事ですが、やりがいは大。工程どおりに順調に竣工したときや、断熱・気密の数値をしっかり出せたときには達成感があります。でもやっぱり一番嬉しいのは、お施主様に喜んでいただくことですね」

 

 

ー建て方の現場を見学しましたが、ブルーシートで入念に養生されているのが印象的でした。  

 

これは会社として徹底しているところです。建設中は、敷地の地面全体をブルーシートで覆って養生しています。これは、前面の道路や基礎の中を土で汚したり、釘などを落として土の中に埋まったりするのを防ぐためです。

 

家の構造を組み上げた後は、建物全体にブルーシートをかけて養生しています。というのも、構造は雨や雪で濡れると乾くまでに数日を要し、カビの原因になりかねないからです。ブルーシート養生は手間はかかりますが、工程・品質・安全のすべての面において必要なこと。職人さんも理解して取り組んでくれています。

 

ヒノケンの工事現場では、敷地内に積まれた資材はもちろん、上棟作業完了後の柱や屋根などの材料が見えないようにすべてブルーシートで覆って養生している

ヒノケンの工事現場では、敷地内に積まれた資材はもちろん、上棟作業完了後の柱や屋根などの材料が見えないようにすべてブルーシートで覆って養生している

 

ヒノケンならではの「チーム力」で 納得の家づくりを

 

密な社内連携で、一丸となって お施主様の夢をかたちに

 

ー「設計士に話したことが、現場に正しく伝わっているだろうか」と不安を抱えるお施主さんもいると思いますが、社内ではどのように情報共有や認識の統一をしていますか?

 

「関わるすべてのスタッフが『お施主様の理想の住まいを叶える』という目標に向かって目線を合わせ、一丸となることが大切である」というのが、ヒノケンの考えです。

 

窓口として営業的な役割も担う社内の設計士と現場監督は、着工前はもちろん、着工中も週一度のミーティングや社内で顔を合わせた際に、お施主様のご要望やそれに伴う設計の意図などを共有しています。それによって話や認識の行き違いを防ぎ、家づくりをより円滑に進めることができます。3名の現場監督間でも、月一度の工務会議を含め、日常的にお互いの現場の進捗状況を確認し合っています。

 

現場では、現場監督の指示のもとで大工たちが効率的に作業を進める。円滑で安全な作業進行は、普段から培ったコミュニケーションの賜物といえる

現場では、現場監督の指示のもとで大工たちが効率的に作業を進める

 

円滑で安全な作業進行は、普段から培ったコミュニケーションの賜物といえる

円滑で安全な作業進行は、普段から培ったコミュニケーションの賜物といえる

 

 

ー現場監督の間でも、情報を共有しているのですか?  

 

そうです。例えば珍しい設備を入れた現場があった場合、施工時の注意点などを共有しておけば、次の施工に役立ちます。それに自分の現場の状況をほかの現場監督が把握できていれば、自分が急病で不在でも安心して現場のマネージメントを任せられて、工期を守れるというメリットもあります。

 

高品質な家づくりを支える 「ヒノケン会」の存在

ー大工をはじめとする職人さんたちとの連携では、どのような工夫をしていますか?  

 

当社の家づくりは、協力業者さんたちによる自主運営組織「ヒノケン会」のメンバーに支えられています。 「ヒノケン会」には大工職人のほか、屋根、外壁、内装、左官など家づくりに不可欠な技能を持つ職人さんが名を連ねていますが、こうした職人さんたちを束ねて効率よく仕事をしてもらうことも、現場監督である私たちの仕事です。

 

職人さんたちとのやりとりで、最も大切にしているのは情報の共有です。難しい納めやつくりは同じ図面を見ながら慎重にすり合わせを行います。また現場監督が立ち会えないときは、LINEで写真を送ってもらったり、電話でやりとりしたりしながら、進捗具合を確認しています。

 

「ヒノケン会」のメンバーには、大工職人をはじめ、屋根、外壁、内装、左官など家づくりに不可欠な技能を持つ専門の職人たちが名を連ねている

「ヒノケン会」のメンバーには、大工職人をはじめ、屋根、外壁、内装、左官など家づくりに不可欠な技能を持つ専門の職人たちが名を連ねている

 

ー協力業者さんたちの自主運営組織があるというのは珍しいですね。

 

ヒノケン主催のイベントに尽力いただくなど、現場の外でも折に触れてコミュニケーションを図っています。皆さん、長年一緒にヒノケンの家づくりに携わっている気心の知れた方々ばかり。敬意を払いながら、何でもお願いしやすい風通しの良い関係を築けています。注文住宅は人の力で建てるものです。現場監督と職人の健やかな関係が、良い家づくりに直結すると自負しています。

 

これからもお施主様の信頼に 応える家づくりを

 

ー最後に、現場監督として、家づくりではどんなことを大切にしているかお聞かせください。

 

ご要望に対しては、基本的に「できない」と言わないようにしています。ただそれが、住んでから不具合が出そうな内容であれば、営業から再度お施主様にリスクを伝えて意志確認してもらいます。

 

住宅は、「建てて引き渡したら終わり」ではないので、その場しのぎの施工は絶対にしません。現場監督が現場で安全や品質の管理を徹底することは、お施主様の信頼に応える家をつくることとイコールです。現場で起こるすべてのことに責任を持ち、地域ビルダーであるヒノケンならではの柔軟できめ細かな対応力で、これからもお施主様にご満足いただける家を建てていきたいですね。

 

 


 

ヒノケンのチーム力|設計士の視点

 

日々の密なコミュニケーションが 伝え忘れやミスの防止に

設計室 リーダー/二級建築士 鹿又 弘枝さん(下写真・左)

 

施工プロセスにおける設計士の役割は、お施主様の立場に立ってご要望を担当の現場監督にしっかりと、なおかつストレートに伝えること。日頃から十分なコミュニケーションを取っているため、現場監督も自分と同じくお施主様目線で考えてくれています。

 

実現が難しいと感じられるご要望であったときには、現場の知恵を借りることで解決への道が開けることもしばしば。また、密に情報共有し合うことで、決め忘れや伝え忘れなどがなくなり、やり直しとなるようなミスの防止にもつながっています。

 

お施主様や外注の業者さんからは、「ヒノケンの皆さんは仲がいいですね」という声をよく聞きます。お昼ごはんを一緒に食べたり、社内イベントを企画・運営したりする中で自然と親睦が深まり、それがチームワークの良さに結び付いているのかもしれません。

 

ヒノケンのチーム力|棟梁の視点

 

お互いをフォローし合う社風がもたらす 家づくりへの好影響を実感

工務課 棟梁 千葉 竜三さん

 

 

棟梁としての自分の仕事は、図面どおり、スケジュールどおりに施工が進んでいるかを管理し、ほかの職人さんたちに指示出しをすること。正確な指示を出すためには図面や工程を正しく把握する必要があるため、現場監督との連携がとても重要です。特に図面に関しては、不明点があると現場監督に詳しく説明してもらうよう心がけています。

 

私は外注としてヒノケンの現場に携わって30年、入社して3年になります。社員になって感じたのは、社員同士のコミュニケーションがしっかりと取れていて、仕事を離れても仲が良いこと。何かトラブルがあったときほどチーム力が生きてくるわけですが、ヒノケンの場合、お互いをフォローし合う社風が根づいています。こうしたチームワークの良さが、家づくりに好影響をもたらしていると感じています。

 

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