Sさんご夫妻は、実家の一部を建築地として譲り受けてこの家を新築されました。黒のガルバリウム鋼鈑と白い塗り壁を組み合わせた外観が、シンプルながら洗練された印象です。家のまわりにゆとりがあるので、お子さんたちものびのび遊べますね。写真では残念ながら見えませんが、この住宅はZEH仕様ですので、屋根には太陽光発電パネルが搭載されています。

玄関ドアと玄関ポーチの軒天井に木質感をプラスした玄関まわりは、Sさんの一番のお気に入りの場所だそう。お好みではありますが、やっぱり木を使うと、空間の雰囲気がまろやかになります。

玄関ドアを開けると、ゆったりとした玄関ホールが広がります。左手のドアを開けるとLDK、右手のほうにお母様が暮らすことを想定した部屋を設けています。正面が「大きな白い壁」というのがポイント。大きな絵を掛けたり、大ぶりなスワッグやリースを吊るしたり、このようにピクチャーレールを使ってファブリックを絵に見立てて飾ったりと、ミニギャラリーのようにディスプレイを楽しめます。レトロ感のある照明も、インテリアのいいアクセントですね。こういったものは、お施主様のご要望で採用できますので、お気軽にご相談ください。

LDKを見ていきましょう。まずはキッチンまわりです。動線がスムーズで、今の家づくりでは定番化しつつある「ストレートダイニング」を採用しました。収納棚も含め、対面キッチンのカウンターからダイニングテーブルまで、当社で造作しました。それにより、Sさん好みのシンプル・ナチュラルテイストの一体感のある空間が実現しています。背面収納の上部に造りつけた飾り棚も、見せる収納にぴったり。

LDKは、このようにキッチンを中心にしたオープンな設計です。料理をするママ、ソファでくつろぐパパ、勉強中のお子さんたちが、それぞれお互いの気配を感じながら過ごせます。ダイニングの横の窓から外のテラスへ出ることができる設計で、Sさんご家族は、BBQを計画しているそうですよ。階段は、同居したときのプライバシーに配慮してあえてリビングの一角につくり、さりげなくそれぞれの生活空間をゾーニングしています。

次は水まわり空間です。Sさんのお住まいは完全分離の二世帯住宅ではなく同居スタイル。浴室やユーティリティは共有です。そこで一緒にでも使いやすいよう、2WAYの回遊動線として、お互いに気兼ねなく行き来ができる設計にしました。洗面台は造作したこの家オリジナルです。

リビング階段を上ると、正方形の可愛い室内窓と小階段が…。吹き抜けの上部に設けたこの隠れ家的な小部屋は、小屋裏収納です。天井は低いですがフローリングもクロスも張ってきれいに仕上げてあり、収納場所として以外にも、お子さんたちの遊び場やご家族のリラックスルームなど、さまざまに使えます。

2階にはSさんの書斎があります。カウンターは今回の新築工事の際に、Sさんのお父様が愛用していた座卓をリメイクしてつくったもの。コンパクトですが、造り付けの棚もあって機能性は十分。窓があって明るく、テレワークでも仕事に集中しやすいスペースです。これからは働き方も変わってくるので、こういう空間があると便利ですね。

こちらは、息子さん用の子ども室。ポップなストライプデザインの壁紙が目を引きます。クローゼットはあえて扉なしにして、サイズ関係なく収納ボックスや家具を置いたり、床面を有効利用したりできるよう、空間に汎用性を持たせました。こういう自由度も、注文住宅ならでは、といえるのではないでしょうか。