Kさんのお住まいは、広い土地を効果的に使って横長に設計しました。玄関の右手には、8坪のインナーガレージを組み込み、車やKさんの愛車であるバイクも収納できます。リビングの外には、ウッドデッキもつくりました。ゆったりとした広さで、物干し場として重宝しますし、テーブルセットを置けばプライベート感のあるアウトドアリビングにもなります。ZEH仕様ですので、屋根には約7kWの太陽光発電パネルを載せています。

住宅とガレージが一体で屋根が続いているので、雨や雪の日でも濡れることなく安心して車と家を行き来できます。玄関まわりの外壁はレッドシダーで仕上げ、外観デザインのアクセントに。

LDKをのぞいてみましょう。程よく木の素材感を散りばめたシンプル・ナチュラルな空間は、明るく爽やかで、ほっとします。床はナラ無垢フローリング。家具が素敵にコーディネートされていますね。UA値は0.39W/㎡K、C値は0.2㎠/㎡と断熱・気密性能が高く、エアコン1台で全館冷暖房が可能です。「以前住んでいた借家は、冬が寒くて結露もすごかったけれど、この家は快適そのものです」とご夫妻は、その心地よさを実感されています。

キッチンは対面式で、ダイニングテーブルをカウンターにくっつけるレイアウト。テーブルの高さに合わせてカウンターの腰壁にニッチを設けました。調味料などが置けて便利です。またキッチンの天井はあえてレッドシダーで木張りにして、空間にメリハリを持たせています。このようなちょっとした工夫で、空間の印象がずいぶん変わるんです。

キッチンの背面収納は、冷蔵庫まで格納できるよう設計しました。キッチンの作業がひと段落したときやお友だちが来たときには、3枚引戸を閉めれば生活感を隠せるので、どのお宅でも人気の仕様です。グリーンのアクセントウォールで仕上げた一角は、奥さんが憧れていたという家事スペース。カウンターと棚を造り付けてつくりました。キッチンのすぐ隣にあると、何かと使い勝手がいいですね。キッチンには勝手口もあって、テラスや庭のほうへ出やすい動線です。

こちらの洗面化粧台はこだわりの詰まった奥さんのお気に入り。ヒノケンらしい造作で、ご家族の使い勝手を考慮した機能性と、シンプルナチュラルな空間に合うデザイン性を兼ね備えています。奥さんセレクトの照明も、洗面まわりの雰囲気とよく合っていますね。室内干しができるよう、天井には脱着可能な物干し用の金具も装備しました。

LDKに戻って、リビングを見ていきましょう。リビングの上部は気持ちのいい吹き抜け空間。大きな高窓からも、光がたっぷりと降り注ぎます。プランニングでは、窓を通して目線を外へ誘導することで、外の景色も屋内にとり込んで35坪以上のゆとりを感じさせる空間を意識しました。また、吹き抜けやスケルトン階段、対面キッチンなどで、家のどこにいても家族の気配が感じられるようにしたのもポイントです。

リビングの隣には、ご夫妻の要望で和室を配しました。建具を開け放つと、LDK空間に広がりが生まれます。空間を広くスッキリ見せるポイントのひとつに、オーダーの建具があります。開口の天井高に建具の高さ寸法を合わせて、枠材を細めに仕上げることで、空間が広くスッキリ見えます。ぜひこういった細かい部分にもご注目いただければと思います！

リビングに明るい光をもたらす吹き抜けの高窓は、2階に上がって外を見ると素敵なピクチャーウィンドウとして、爽やかな田園風景を切り取っています。四季折々、また時間によっても変化する窓の外の景色が、Kさんご家族の目を楽しませてくれます。こういった風景のとりこみ方ができるのは、郊外で住宅を建てる大きな魅力のひとつかもしれません。