Web見学会vol.7 帰るのが楽しみになる、薪ストーブのある家
ご家族の趣味嗜好や、希望するライフスタイルに合わせた家のかたちをあれこれ考えて、実現できるのが注文住宅の大きな魅力です。「せっかく建てるなら、毎日帰宅するのが楽しみになるおもしろい家にしたい」。そんな思いで完成した東松島市のEさん宅は、リビングの薪ストーブがある家。ほかにも家族みんなが楽しくなる工夫がいっぱいのお住まいを、これからご案内します。
薪ストーブの煙突がシンボリックに屋根から突き出るEさんのお住まいです。ダークグレー色のサイディング外壁に、玄関ドアや窓枠の白色が映えます。広いお庭の一角には薪小屋をつくり、ご長男と同い年のソメイヨシノも植えました。
Eさん宅の個性は、玄関からさっそくにじみ出ています。採用したのは、珍しい上部がアール型の玄関ドア。ヨーロッパの古い家で使われていそうなアイアンの金物が目を引きます。このドアの先にどんな空間が広がっているのか、すでにワクワクしますね。
白い壁と明るい色味のパイン材の無垢フローリングでナチュラルテイストな屋内。玄関→お子さんたちの収納→洗面脱衣室→LDKとつながる、手洗い・うがいの習慣が身につきやすい回遊動線で設計しています。廊下を照らすのは、木彫りのリスの照明!Eさんが群馬で開かれていた作家さんの個展に足を運んでつくってもらったオーダーメイドだそうです。…かわいい。
そしてこちらが、1階のメインルームです!フローリング敷きのLDKと小上がりの広い和室を組み合わせ、5人家族がのびのびと過ごせる空間をデザインしました。キッチンは対面式。背面収納はまるで壁のような白い建具ですっきり見せることができます。白い壁と木の床に、階段や薪ストーブのアイアン、炉台や炉壁のタイルの質感が加わって、空間の味わいがより増す感じがします。
Eさんが選んだ薪ストーブは、バーモントキャスティング社の「アンコール」。長く愛され続けている人気の機種です。薪ストーブはスイッチを入れるだけの暖房機器と異なり、操作やメンテナンス、薪の準備など手間はかかりますが、一方で遠赤外線効果で暖かさの質が高く、ピザや煮込み料理など調理の楽しみも広がります。また炎の揺らぐ様は、ずっと見ていても飽きることのない不思議な魅力を秘めているんですよね…。Eさんのお住まいは当社の高断熱・高気密仕様により、冬は薪ストーブ、夏はエアコン1台で快適にお過ごしいただけます。
リビング・ダイニングの天井は化粧梁で仕上げて、シンプルナチュラルな空間に木質感をプラス。木は熱を蓄えやすく、薪ストーブとの相性が良い素材でもあります。リビング階段の踏み板は、色違いの板を交互に用いてつくりました。廊下の下がり壁は、こちらからご提案して、玄関ドアと同じアール型に仕上げています。1階はトイレと洗面脱衣室以外はほとんどドアのないワンフロアなので、家族の気配が感じ取りやすく安心です。
この小上がりの和室にも、さまざまな工夫やアイデアが詰め込まれています。段差を利用して、大容量の引き出しを造作。LDKまわりの収納の悩みを解消してくれます。またこの段差は、ゆくゆくはダイニングテーブルのベンチになるよう想定して高さを決めています。畳なので、座り心地もばっちりです。さらに、引き戸が戸袋に収まるよう設計しているので、開け放てば空間が広々使え、建具を出せば和室を個室として使えます。和室には寝具等がしまえる収納スペースを確保し、神棚も設けています。
トイレはタンクレスで省スペース設計。足元に横長のスリット窓を設けて、外の光を採り込んでいます。おしゃれなカフェのトイレのような雰囲気ですね。ちなみにトイレの天井を見上げると…
ジブリ作品の、あのキャラクターが…!こんな遊びゴコロが、家を楽しくしますね。
2階を見ていきましょう。2階ホールには本棚を造作して、家族みんなで使える「図書館」のような場所にしました。この一角にはカウンターを造作して、お子さんたちが並んで勉強できるスペースも設けています。
「子どもたちが部屋に籠もりきりになることがないように」とのご夫妻の考えで、子ども部屋はあえて寝るだけのコンパクトサイズにしました。将来的に2部屋に仕切って使えるつくりにしています。ドアの上には開口が2ヵ所ありますが、ここから小屋裏へ行くことができます。
小屋裏は、まるで秘密基地のような大空間!計4ヵ所からアクセスできる設計のこの場所は、内装をきれいに仕上げてあって、収納や趣味部屋などさまざまに使えます。もちろん、お子さんたちにとっては絶好の遊び場。「遊ぶところがいっぱいあって楽しい!」と好評です。
薪ストーブや図書館、秘密基地のような小屋裏空間など、家族みんなが楽しく暮らせるための工夫でいっぱいのEさんのお住まいでしたが、このかたちを実現したのは「こうしたら家族が楽しく暮らせそう」という、ご夫妻の暮らしへ想いやイメージです。
「どんな設備を使いたい」「どんなインテリアにしたい」という希望ももちろん大切ですが、「どんな暮らしがしたいか」というイメージが、ご家族らしい良い家づくりにはとても重要です。みなさんが新しい住まいでどんな暮らしを思い描いているのか、ご相談の際にはぜひゆっくりとお聞かせください!
DATA
竣工年:2018年10月
工法:木造(在来軸組工法)・2階建て
延床面積(坪):115.10㎡(約34.8坪)
住宅性能:UA値 0.48W/㎡K
暖房機器:薪ストーブ、エアコン