敷地の大きさが限られているため、建坪は約30坪とコンパクトにまとめました。ご夫婦二人住まいなのでこれでも充分な広さです。駐車スペースもしっかりと確保しました。家のテイストに合わせてつくってもらったという外部収納には、ご主人の趣味である登山の道具をしまっているそうです。

Sさんご夫婦は40代ですが、将来、年を取ったときのことを考えて平屋をご希望されました。ちなみに奥様は当社で家を建てるのが憧れだったそう…。工務店冥利に尽きます。

外壁は塗り壁。何色にするか最後まで悩まれていましたが、薄めのグレーを選択されました。ザラリとした質感と落ち着いた色合いが素敵ですね。玄関は通りから見えないよう木のルーバーで目隠ししました。

玄関の並び、廊下の一角のようなところにつくったこの空間は、実は奥様の一番のお気に入り。造作したカウンターでピアノを弾いたり、書き物をしたりと、部屋のようにお使いいただいています。ここは、スムーズな生活動線の要の空間でもあります。玄関を入ってすぐ右手にあって、キッチンとダイレクトにつながっているほか、洗面脱衣室や寝室へもアクセスしやすく、この動線のおかげで、ストレスを感じることなく暮らせているそうです。この場所には、室内物干しスペースとしての役割も持たせました。窓からは陽射しがたっぷり入るため、干した洗濯物もすぐに乾きます。

玄関ホールから続く廊下は水まわりやLDKにつながります。この回遊動線が、Sさん宅の大きなポイント。家の使いやすさがぐんとアップします。ここは北側にあたりますが、玄関ホールとLDKの双方から光が入るので明るいです。左側の白く突き出している部分は大容量の造作収納。掃除道具や買い置き品、ワンちゃんのごはんなどを入れています。また、中央やや右寄りに見えるスリッパ収納も、奥様のご希望で当社が造作したもの。「想い描いていた以上に使い勝手が良くてびっくり！」と大変ご満足いただいています(^^)

キッチンからホール方向を見たところ。落ち着いた床色とダークな色合いのキッチンが調和しています。この無垢フローリングは浮造り風の表面加工を施してあって、素足に吸い付くような心地よい感触を得られるのが魅力です。

キッチンは対面式で、天井が高く広々としたリビング・ダイニングを一望できます。LDKの隣にある8畳の和室は、用途に応じて扉を開け閉めが可能です。「家を建てたら犬を飼いたい」というご主人の夢を叶え、引っ越し後に柴犬を飼い始めたご夫妻。普段はこの和室にワンちゃん用のケージを置いています。

キッチンの脇には扉付きの大きなパントリーを設けました。扉を閉めてしまえば見た目はスッキリ！ 収納上手な奥様なので、中もバッチリ整理整頓されています。こちらのお住まいも当社が誇る高断熱･高気密仕様。「冬でも家中暖かくて寒いと感じる場所がないのに、アパートに暮らしていたときより光熱費が安くなった」というのも、ご夫妻にとってうれしいポイントだそうです。

キッチン背面は白木を模したクロスと造作棚で仕上げ、お二人が好きなコーヒー関連のアイテムをディスプレイ。カフェのような素敵な雰囲気です。好きなものがいつでも目に入ると、自然と幸せな気持ちになって、おうちで過ごす時間が充実するもの。こういうゆとりも、家づくりでは大事なエッセンスです！

奥様好みのシンプルでナチュラルなテイストに、勾配天井のレッドシダーと化粧梁がぬくもりを添えるリビング・ダイニング。ダイニングの後ろの引き戸を開ければすぐ外は玄関です。ダイニングセットをはじめ、Sさん宅には前の家から持ち込んだ家具も多く配されていますが、そのどれもが空間にぴったりとフィットしています。Sさんご夫妻はお手持ちの家具をどこにどのように置くか、打ち合わせ段階からしっかり考えておられたため、私たちはそれに合わせて図面を引くことができました。こういった事前準備も、納得の家づくりに欠かせません。

和室には天井まで届く大きな本棚を造作。ご主人が集めた登山関連の書籍や雑誌を収納しています。本棚の左手の壁はグレーがかった和柄のクロスでアクセントを付けました。

愛犬のくうちゃん（♀･9ヶ月）も「快適だワン!!」とうれしそう（？）ですね。